HCDコンサルティングの人権DD一巡

人権DD一巡の各プロセスごとに、私どもHCDコンサルティングが提供するサービス内容詳細を説明します。

人権方針の策定と公開

人権DDに先立って、一番最初に行うのが、人権方針の策定公開です。

これは、「ビジネスと人権に関する指導原則」を遵守し、「ビジネスと人権に関する指導原則」で規定される人権尊重責任を履行する旨のコミットメントになります。コミットメントは、 promiseよりはるかに強い決意に基づく約束を表し、確約・献身という意味に近くなります。

  1. 人権方針の5要件を確実に抑えた人権方針を作成し、
  2. 要件以外の推奨事項を少しずつ取り入れて、
  3. 人権方針をブラッシュアップする

という手順で、御社の人権方針を作成いたします。

人権侵害リスク特定/評価→ 防止/軽減

人権侵害リスクを調査・特定する際には、深刻度と発生確率まで調査特定しておかなければなりません。

人権侵害リスクの防止/軽減には、リスクベースアプローチが必要だからです。

また、自社のリスクだけを対象にするのではなく、サプライチェーンその他ビジネス上の関係をも対象に含めて、         企業活動による人権侵害リスクを特定・評価し、防止/軽減しなければなりません。

地域・セクター・企業・製品のそれぞれに特有のリスクを特定していきます。

地域リスク、セクター(業界)リスクは、国際的な文書を参照して特定します。

企業や製品に関するリスクについては、ステークホルダーエンゲージメント(利害関係者との対話)によって特定します。

具体的には、以下のような考え方で、人権侵害の程度がひどいものから順番に防止軽減します。

この中で、深刻度というのはとても重要な概念です。

基準意味考慮事項
規模人権侵害による被害の大きさ◯侵害の性質や背景
◯侵害の態様
◯被害者の状況
範囲人権侵害による被害の広がり被害者数
◯被害集団数
◯被害地域の広さ
救済
困難度
人権侵害による被害の回復困難◯治療の困難性
◯補償の困難性
◯迅速救済の必要性

私たちHCDコンサルティングは、リスクベースアプローチによる人権侵害リスクの特定・評価についても、しっかりと実施します。

人権侵害リスクの特定評価が済んだら、いよいよ人権侵害リスクの防止軽減です。

人権侵害リスクの特定・評価の際に、リスクベースアプローチによって、防止軽減の優先順位を決めました。それに従って、人権侵害リスクの防止軽減に取り組みます。

まず、自社が引き起こし又は助長している負の影響は自社が対処します。

取引関係で繋がる他社(取引先等)が引き起こす又は助長する負の影響については、影響力を行使し、取引関係で繋がる他社(取引先など)に対処(上記箇条書きの対応)させます。

このような考え方で、この先の取り組みの方向性を決めます。

1年間で解消できそうにない問題点については、解決までのロードマップを作成します。 

私たちHCDコンサルティングは、人権侵害リスクの特定/評価や防止・軽減についても、適切な対処案を提案します。

実効性評価・情報公開

ビジネスと人権・人権DDに関する取り組みにあたっては、定期的に実効性を評価し、広く一般に情報公開されなくてはなりません。

実効性評価にあたっては、適切な質的及び量的指標(Key Performance Indicator: KPI)による計測が求められます。

情報開示や説明は自由な形式で行えばいいのですが、権威ある団体が策定した様式もあり、うまく利用すると便利です。

苦情処理システムの整備

人権侵害を早く発見し、少しでも被害を軽減するには、従業員の苦悩を吸い上げる苦情処理システムが必要です。

苦情処理システムは、ハラスメント相談窓口の機能拡張と考えていただいて良いです。苦情処理システムは、ハラスメントだけではなく、人権侵害全般に対応する相談窓口のようなものとなります。

苦情処理システムの担当者は、「国際的に認められた人権」とは何かを理解する必要があります。相談担当者には深い知識が求められます。

また、ハラスメント相談窓口の担当者に求められるのと同様の対人能力、秘密保持、2次被害の防止なども求められます。