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「ビジネスと人権」をわかりやすく学ぶための入門者向け資料

「ビジネスと人権」を独学で学ぶなら、なるべくわかりやすく、苦労なく学びたいところです。

様々なご意見があると承知はしておりますが、私が思うに、次のような順序で勉強するのがいいと思います。

まずは薄いパンフレットを読む

何でもそうですが、全体像の概略を掴むために、まずは20-30ページほどの薄い冊子で勉強するとよいと思います。

最初に使う冊子は、絶対に読み切れる程度の情報量にとどめ、実際に読み切ることが大事です。

政府やその関係機関が出しているパンフレットで、個人的に一番のお勧めはこれです。

続いて「ビジネスと人権に関する指導原則」

薄いパンフレットで全体像を掴んだら、「ビジネスと人権に関する指導原則」(以下「指導原則」と言います)を学びます。

印刷すると、A4で13ページほどです。先ほどのパンフレットより枚数は少ないです。ただ「指導原則」にイラストや図はなく、ひたすら文字だけですので、パンフレットよりは読みにくいと思います。

ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合「保護、尊重及び救済」枠組実施のために(A/HRC/17/31) | 国連広報センター

「ビジネスと人権」は、「指導原則」を可能な限り守っていくこと

‥と言っても過言ではありません。

「指導原則」は「ビジネスと人権」の領域における憲法のようなものです。

この「指導原則」は、面白い構成になっています。

何と、いくつもの指導原則が並んでいる部分は、付録扱いです。指導原則への序文が、まるでメインコンテンツのような扱いとなっています。

指導原則への序文

「指導原則」の序文は、「指導原則」が出来上がるまでの経緯などが書かれています。

確かに重要なのですが、少々難解です。

これをそのまま読んで理解できる方はそれでよいのですが、難しく感じる方は次のウェブ記事を読むといいです。

「指導原則」が出来上がるまでの経緯を、非常にわかりやすく書いていただいてます。3000字程度ですので、問題なく読み切れるはずです。

なお、このウェブ記事を書かれた菅原絵美先生は、大阪経済法科大学国際学部教授で、「ビジネスと人権」における権威の一人です。

付録:ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合の「保護、尊重及び救済」枠組実施のために

付録と書いておりますが、この部分こそが「指導原則」の本体です。

一つ一つの指導原則はそれほど難しくありません。そのまま読んでいきましょう。

中小企業向け「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」

「指導原則」の次に紹介したいのが「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」です。中小企業の「ビジネスと人権」の取り組みに適しています。

入手方法

日本繊維産業連盟のホームページ に行って、一番下まで下スクロールすると、左下にこんなボタンがあります。

すると、フォームが現れますので、必要事項を記入します。

フォームの下端まで記入して、個人情報の取り扱い/Privacy Policyに同意したら、

「確認画面へ/confirm 」ボタンを押します。

そして、遷移した画面で、「確認のうえダウンロードへ/Send」ボタンを押すと、ダウンロードできます。

最後に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」

「指導原則」や「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」をすべて読み終わったら、様々存在する国際規範等の勉強に移ります。

私見では、様々な国際規範を最も上手くまとめているのが、日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」です。

指導原則の勉強が終わったら、少々苦戦しつつも、なんとか理解できるようになっているはずです。

そうなれば、たとえ完ぺきではないにしても、組織内で「ビジネスと人権」を推進するにふさわしい知識が身についているはずです。

独学される皆さんのご健闘をお祈り申し上げます。

独学が大変なら「ビジネスと人権入門セミナー」をご利用ください。

「ビジネスと人権」入門セミナー

当事務所では、「ビジネスと人権」に取り組む必要性について腹落ちしていただき、「ビジネスと人権」の具体的プロセスの概略を学ぶ「ビジネスと人権」入門セミナーを提供しています。

あとがき

皆様の「ビジネスと人権」学習が順調に進むことを祈っております。

そして、どうしても独学では厳しい場合、会社の同僚とともに「ビジネスと人権」入門セミナーを受講されることもご検討くださいませ。