「ビジネスと人権」に力を入れています

私たちHCDコンサルティングは、パーパスとして、「Human Capital Development(人的資本開発)とHuman Centered Design(人間中心の制度設計)によって、労働者福祉と中長期的な企業価値を向上させること」を掲げています。

その実現のために、私たちが最も力を入れているのは、ビジネスと人権(Business and Human Rights ; BHR)です。

ビジネスと人権とは?
人権デューディリジェンス(人権DD)とは?

企業が「ビジネスと人権」に取り組むことは、社会から強く要請されています。取り組みが遅れている企業は、取引先として選ばれなくなりつつあります。

経営リスク低減のためにも、ビジネスと人権には、なるべく早く取り組むべきです。

ところで、その「ビジネスと人権」とは何でしょうか?

「ビジネスと人権」は、次のように定義されています。

企業の事業活動全体(原材料調達、委託製造から流通過程、製品の廃棄・リサイクル・再資源化まで)とステークホルダー(労働者、消費者、地域住民など)との関わりにおける人権課題を包括的にとらえる概念です。(国際法学会

もっと簡単に言うと、ビジネスと人権は、「企業活動において、労働者、消費者、地域住民などの人権を侵害しないようにしましょう。むしろもっと人権を尊重しましょう。」という概念です。

ビジネスと人権については、国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を承認していて、これが事実上の国際規範・枠組みとなっています。指導原則は、国・企業それぞれに対して、人権に関する義務・責任を課します。

外務省「ビジネスと人権とは?」より

企業が「人権を尊重する企業の責任」を果たす際には、次の6つのプロセスを履行していくことが必要になります。

人権方針人権尊重責任へのコミットメント(約束)表明










人権DDサプライチェーンその他ビジネス上の関係にある他社も含め、企業活動による人権侵害リスクを特定・評価  
優先順位を決めて、人権侵害防止軽減に取り組む
取組についての実効性評価
ステークホルダーへの説明・外部への情報発信
救済人権侵害被害者への対処

なかでも、人権DD(人権デューディリジェンス)が重要です。当所では、出来るだけ早く人権デューディリジェンス(人権DD)に着手するよう、強く強くお勧めしています。

人権DDとは、自社の企業活動だけではなくサプライチェーンその他ビジネス上の関係にある他社の企業活動をも含めて、企業活動が引き起こす人権侵害リスクを調べて人権侵害を防止・軽減する取り組みです。

HCDコンサルティングの人権DD支援サービス

セミナー名称対象プロセス
1. 「ビジネスと人権」入門セミナー
  ~人権デューディリジェンス全体の流れを中心に~

2. 人権方針策定セミナー
3. 人権侵害リスク 特定/評価/防止/軽減 コンサルティング
4. 実効性評価/説明・情報発信/救済 に関するコンサルティング

人権DDは経営リスクマネジメントとして不可欠

人権DDの実施は、企業の経済安全保障の観点からも、今や欠かせないものです。

人権DDの6つのステップは、自社が実施するだけでも大変です。

その上、ビジネス上の関係にある他社にも実施を働きかけなければなりません。

ですから、人権DDは一朝一夕にはできないのです。

人権DDは、サプライチェーンその他ビジネス上の関係にある他社の企業活動における人権侵害までも、防止軽減の取り組みの対象とします。

そのため、人権DDを実施する企業は、サプライヤーに対して、人権DDを実施するよう強い要請を行うようになっています。

しかし、人権DDは一朝一夕にできるものではありません。顧客から要請を受けてから対応しようとしても、何からやっていいか分からず混乱するのが関の山です。

いつまでも顧客からの要請に応えられず、人権DDを実施できないと、ある日突然取引を停止されて売上を失うリスクが生じます。

無用なリスクを背負わぬためにも、顧客から要請される前に、人権DDを実施しておくべきです。

今や人権DDは企業の経営リスクマネジメントとして必須であり、BCP(Business Contingency Plan , 事業継続計画)の一部として実施すべきものでもあります。

人権DDの義務を企業に課すのは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」だけではありません。

欧米では、人権DD実施を企業に義務づける国内法等の制度が、次々に作られています。

日本政府も、遅ればせながら欧米に追随し、企業に人権DD実施義務を課す動きを加速させています。

コンプラ意識の高い企業が、人権DDを実施していない取引先(中小企業含む)に対して、取引停止をちらつかせながら人権DDを実施するよう強く迫るケースは、ますます増加します。

今や、人権DD(人権デューディリジェンス)の実施は、全ての企業にとって必須であり、即時着手すべきものなのです。

HCDコンサルティングの人権DD支援サービス

セミナー名称対象プロセス
1. 「ビジネスと人権」入門セミナー
  ~人権デューディリジェンス全体の流れを中心に~

2. 人権方針策定セミナー
3. 人権侵害リスク 特定/評価/防止/軽減 コンサルティング
4. 実効性評価/説明・情報発信/救済 に関するコンサルティング

人権DDの早期着手で大きなメリットを!

「人権DD(人権デューディリジェンス)はコンプラとしての義務。経営リスクマネジメントとしても必須。やることが多くて大変だけど取り組まなきゃ‥」

確かにそうなんですが、「やらねば不味い」という義務感だけでは、人権DDは負担でしかなくなります。それではもったいないです。

実は、人権DDに着手することで、大きなメリットがあるのです。

愛知県豊川市の株式会社ヤマグチマイカは、2015年のある日、突然に、人権DDのほんの一部(「児童労働への不関与」の証明)を実行することを求められました。

2015年に顧客である欧州の大手化粧品メーカーが、インドの鉱山における児童労働に関する人権問題を提起した。これにより同社は、児童労働に関与していないことの証明として、インドのマイカ鉱山および工場における第三者機関の監査結果の提出が求められることとなった。何の前触れもなく寝耳に水のことであったが、すぐに多くの大手化粧品会社がその動きに追随した。同社の山口卓巳社長は、事業継続のためには業界の要求に応じる必要があると判断したが、社内には人権に関する監査の知識がなく、何から着手すれば良いのか分からない状況だった

中小企業庁:2022年版「中小企業白書」 第4節 中小企業が対応を迫られる外部環境 事例2-2-22:株式会社ヤマグチマイカ

同社は、この「事件」をきっかけに、企業経営に必要な人権関連情報の収集や学習に取り組み始めました。現在では毎年人権DDを行い、その報告書をウェブサイトに掲載しています。

▶先行して「責任ある調達」に取り組み、アドバンテージを獲得

(人権DDの一部である)「責任ある調達」への同社の取組は、化粧品業界以外の顧客や取引先企業から理解が得られ、問題意識を共有することができた。過去に取引がなかったものの、直接的・間接的にマイカを使用している企業からの問い合わせも増えており、将来的な需要拡大に手応えを得ている。人権への取組を含んだCSR活動の詳細を積極的に情報公開していることへの対外的な評価は高く、取引先との関係強化につながっている。「責任ある調達をしていない企業は、将来的に事業を存続できなくなることもあり得る。国内外にあるマイカ製造の競合相手に対して先行アドバンテージを得ることができた。」と山口社長は語る。

中小企業庁:2022年版「中小企業白書」 第4節 中小企業が対応を迫られる外部環境 事例2-2-22:株式会社ヤマグチマイカ

その結果、同社は、上記引用部分のように大きな先行者利益を得ています。

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇(あだ)は敵なり

これは武田信玄の言葉であり、人的資本経営における黄金律です。

このうち最も重要なのは「情けは味方、仇(あだ)は敵なり」です。

仇が存在したままでは、「人は城、人は石垣、人は堀」など夢のまた夢。

人権DDの実施などで、社内や取引先における人権侵害を可能な限り少なくし、「仇(あだ)は敵なり」という状況をなくすことに最優先で取り組むべきです。

それが出来れば、「情けは味方」の状況が自然に生まれ、「人は城、人は石垣、人は堀」となりうる人材の採用/定着/育成につながります。

アメリカでは企業価値の9割を無形資産が占めています。

企業価値の源泉は、有形資産から無形資産に変わった」と言っても過言ではありません。

無形資産の源泉たる人的資本が、今後ますます重視されることは確実です。

人権DDなどによって人権侵害リスクを可能な限り小さくして、労働者の心理的安全性を確保することは、ますます重要なものになります。

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人権DD以外の取扱業務案内

社労士診断認証制度は、企業の人事労務コンプライアンスの水準について、社労士が「適合企業」認証を与える制度です。「適合企業」はホワイト企業であることのお墨付きであり、ハローワークでの求人でもその旨がはっきりと表示されます。

人権デューデリジェンスや人事労務コンプライアンスで土台を整えたら、人的資本を定量的に把握して課題を定め、従業員のライフプラン・キャリアプランに寄り添いつつ、エンゲージメント向上と人的資本充実を図ります。